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毎日ブログ

2026/05/10
894/1000 ビートルズを聴くと不良になると言われていた世代に一言   

今日は実家に母を訪ねて行った。

会社のスタッフから孟宗をいただき、それを届けに行ったのである。

この時期、こちら庄内では孟宗竹を食べる習慣がある。

味噌仕立てに酒粕を入れ、豚肉と油揚げを合わせた「孟宗汁」は、春から初夏へ向かう季節の味だ。

 

そしてこの時期になると、スーパーから油揚げが消えるほど。

それくらい庄内の家庭では、一斉に孟宗汁が始まるのである。

 

…とはいえ、今回の実家訪問には、もう一つ大きな目的があった。

母の自動車とスマホを連携する設定作業である。

 

母と電子機器の軋轢は、もう20年以上続いている。

Windows XP時代のパソコン設定、インターネット接続、Wi-Fi設定、年賀状ソフトの住所録移行…。

その度に「ちょっと見てくれ」と呼ばれてきた。

 

スマートフォンになってからは、電話が鳴っても出られない。

理由を見ていると、スワイプ操作なのに、昔の固定電話のように“強く押して”いるのである。

押さなくていい、滑らせるだけでいい。

しかし、その感覚がなかなか難しい。

 

そんな母に話した。

 

「これから20年生きるとして、スマホとかタブレットとか使えたら、人生きっと楽しくなると思うよ。AIなんかも使ってみたら?」

 

すると母は少し警戒した顔でこう言った。

 

「AIは危険だって言ってたけれど…」

 

そこで私は思わず笑ってしまった。

 

「ビートルズを聴くと不良になる、って言われてた世代でしょう? それと今の、同じだよ」

 

新しいものが出てくるたび、人は少し怖がる。

テレビも、ゲームも、インターネットも、スマホも、全部そうだったのだと思う。

 

しかし今や、コンサートのチケットもスマホがなければ取れない時代。

飛行機に乗るにも、予約確認にも、QRコードにもスマホ。

便利というより、“社会の入り口”そのものがスマホの中に移り始めている。

 

もちろん、ついていけない人を切り捨てるような社会でいいとは思わない。

ただ、だからこそ少しずつでも触れておくことで、世界はずいぶん広がるのだろうとも思う。

 

母は「難しいのぉ」と言いながら、車のモニターを何度も触っていた。

その姿はどこか、新しい時代に恐る恐る手を伸ばしているようにも見えた。

 

昔、ビートルズを怖がっていた世代が、今では普通にスマホでYouTubeを観ている。

そう考えると、人間というのは案外、ちゃんと時代に追いついていく生き物なのかもしれない。


2026/05/09
892/1000 ラン活に思う。   

「ラン活」という言葉を聞いて、最初は何のことかと思った。

調べてみると、「ランドセルを選ぶ活動」の略らしい。

今のランドセルは6万円台が売れ筋。

AIが6年生の姿を予測し、似合う色まで提案してくれるというから驚く。

 

ただ、これだけ大切に選ぶからこそ、

卒業後に捨てるのが忍びない。

 

実際、片付けの現場でも、

押し入れの奥に残されたランドセルをよく見かける。

あれはモノというより、子供時代の記憶なのだと思う。

 

だからこそ、

売る側が最初から、

 

「回収します」

「リメイクできます」

「次の子へ繋げます」

 

そんな仕組みまで組み込んでくれるとありがたい。

 

“売って終わり”ではなく、

“使い終わった後まで含めて商品”。

 

そんな時代になっていくのかもしれない。

 

まあ、我が家ではもう、

ランドセル選びの心配はないのだけれど。

2026/05/07
890/1000 世界はコツコツで回っている   

GWが明けて、今日から通常営業。

しかし、当社のある鶴岡東工業団地は、まだどこか静かだ。長めの連休を取っている会社も多いのだろう。工場の音も少なく、連休の余韻がまだ漂っている。

その一方で、私たちの仕事は一気に忙しくなる。

鶴岡市の燃やすごみ収集が一日お休みだったため、今日はとにかくゴミが多い。

GW中、人が動けばゴミも動く。

家の片付けをした人。

親戚が集まった家。

観光地や飲食店。

楽しい時間の後には、必ずその“痕跡”が残る。

そしてそれを回収するのが、私たちの仕事だ。

一台のパッカー車で十数トン。

二人で一日かけて回収する。

ふと計算してみる。

もしゴミ袋一つが3kgだとすると——

10000÷3≈3333

10トンで約3,300袋。

もちろん実際には軽い袋も重い袋もあるが、それでも気が遠くなるような数だ。

けれど現場では、それを「3,300袋だ」などとは考えない。

ただ一袋ずつ積んでいく。

止まって、降りて、持ち上げて、走る。

その繰り返し。

“コツコツ頑張る”という言葉は、地味な表現に聞こえる。

しかし本当は、

気の遠くなるような量を、

気の遠くならない顔で積み上げていくことなのだと思う。

GWの楽しかった思い出も、

賑わった街も、

誰かの暮らしも、

こうした名もない反復によって支えられている。

そして世の中は、案外こういう「コツコツ」でできているのだ。

2026/05/05
898/1000 GWの習慣   

ゴールデンウィークといえば、どこかへ出かけるというよりも、私は“整える時間”にあてることが多い。

お片づけもそうだが、この時期に必ずやるのが、革製品の一斉メンテナンスだ。

鞄、革ジャン、時計のベルト、財布、ベルト、そして革靴。

こうして並べてみると、身の回りは思っている以上に革製品であふれている。

一つひとつ手に取り、ブラシをかけていく。

それだけでも、見違えるように表情が変わるから面白い。

少し曇っていた革が、スッと息を吹き返すような瞬間がある。

ブラッシングするだけでも見違えるから、革製品には自然と愛着が湧いてくる。

買ったばかりの頃の“整いすぎた顔”も悪くないが、やはり惹かれるのは、使い込まれて少しずつ変わっていくその表情だ。

最初の印象とは違って、時間と手入れを重ねるほどに、どんどんいい顔になっていく。

傷やシワさえも、ただの劣化ではなく、自分の時間が刻まれた証のように思えてくる。

新品の輝きとは違う、手入れされたものだけが持つ艶。

それはどこか、人にも通じるものがある気がする。

だからまた、手に取る。

そして静かに、ブラシをかける。

モノを整える時間は、自分を整える時間でもある。

今年のゴールデンウィークも、そんなふうに過ぎていく。

2026/05/03
896/1000 欲望と孤独   

Netflixのドラマ「地獄に堕ちるわよ」を観終えた。

もともとは妻が観ていたものを、横でなんとなく眺めていただけだったのに、気づけば最後までしっかり付き合っていた。

この作品は、「大殺界」という言葉でも知られる占い師、細木数子をモデルにした物語。

自伝の執筆を依頼された作家の視点を通して、ひとりの女性の波乱に満ちた人生が描かれていく。

占いの話のようでいて、実はとても人間くさい。

観終わって残ったのは、ひとつの気づきだった。

一人の女性の葛藤と同じ構造が、立ち上がろうと必死だった日本そのものだったのではないか。

焼け野原から始まる人生。

何もないところからのスタート。

今の私たちには想像しきれないけれど、

あの時代は「ない」からこそ前に進むしかなかった。

迷っている余裕なんて、きっとなかったのだと思う。

人の痛みを知っている人は、強い。

でも同時に、とても繊細でもある。

人の気持ちが分かるからこそ寄り添える。

でも分かるからこそ、自分の中の欲望や葛藤とも向き合うことになる。

その姿は、ただの一人の女性ではなく、

どこか時代そのものの姿にも見えた。

「大殺界」という言葉も、そう。

正しいかどうかよりも、

その言葉にすがりたくなる気持ちがあったということ。

不安な時、誰かに「大丈夫」と言ってほしい。

はっきりとした答えが欲しい。

それは、あの時代を生きた人たちも、

そして今の私たちも、きっと同じだ。

戦後の時代は、優しさよりも強さが求められた。

迷わず決めること。

前に進み続けること。

それが社会を動かし、日本を立ち上がらせた。

でもその裏側には、

誰にも見せない孤独があったのだと思う。

観終わって、ふと父親世代のことを思った。

多くを語らず、ただ働き続ける背中。

あの姿の中には、きっと言葉にしない思いがたくさんあったのだろう。

あの時代を生きるというのは、

想像以上に大変で、そして静かな孤独と共にあったのかもしれない。

欲望は、悪いものではないのだと思う。

何もないところから立ち上がるためのエネルギー。

誰かを守るための力。

でもその強さは、ときに自分自身も揺さぶる。

このドラマを観て、

少しだけ、あの時代とそこに生きた人たちが近くなった気がした。

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