983/1000 止まっていた時計が動き出した
ここしばらく、中東情勢の影響もあってか、世の中にはどこか経済停滞の空気が漂っていた。
私たちの仕事も例外ではない。
遺品整理や家財整理のご相談はあるものの、「もう少し様子を見てから」「落ち着いたらお願いしたい」という声が目立っていた。
「今年は少し動きが鈍いかな。」
そんなことを感じていた矢先だった。
ここへきて、一気にお問い合わせやご依頼が増え始めたのである。
気が付けば、秋までの予定がほぼ埋まるほどになってしまった。
もちろん、本当にありがたいことである。
ご依頼いただけることは、お客様から信頼していただいている証でもある。
一方で、こういう時こそ気を付けなければならない。
忙しくなると、どうしても「こなす」ことが目的になってしまう。
しかし、私たちが本当に提供しているのは作業ではない。
故人が大切にしてきた暮らしへの敬意であり、ご家族が新たな一歩を踏み出すためのお手伝いである。
だからこそ、一件一件を丁寧に向き合う姿勢だけは失ってはならない。
仕事には波がある。
静かな時期もあれば、一気に忙しくなる時期もある。
その波に一喜一憂するのではなく、静かな時期には準備をし、忙しい時期には感謝を忘れず、目の前のお客様に全力を尽くす。
結局、それが次の波にもつながっていくのだと思う。
秋まで予定が埋まったことに安心するのではなく、「今日の一件」を大切に積み重ねていきたい。
それが、私たちの仕事への一番の恩返しなのだと思う。

