中村仲蔵という講談の演目(落語もあり)、私の大好きな講談師 6代目神田伯山氏の名演でも有名な実話を元にした演目です。それで、これまでこの中村仲蔵を実は聴いたことがなくて、YouTubeで観てみました。
内容としては、江戸時代の役者(歌舞伎)は世襲制で、最上位に君臨する「名題」というランクに叩き上げの役者はなることはできないという時代。中村仲蔵という才能豊かではあるが血のない役者が成り上がりるも、多くの僻みやっかみを受け、どうでも良い冴えない役を言い渡されるも、その才覚と執念でそれを大成功に導くというサクセスストーリーです。
中村はまず、与えられたその冴えない役の設定にリアリティーが無いという疑問を持ち、これまで定説だった野暮な山賊スタイルというのを見直し、苦心の末、当時の観客を唸らせるリアルな世界観を与えました。その上で例えば血糊を使うなど、リアルさを追求する工夫で観客を魅了したのです。
しかし、血糊など(世界で初めて使用したと言われている)その当時の度肝を抜く演出だったため、客席が静まり返り仲蔵は客からNGを突きつけられたと錯覚します。それでも自分を信じて己の設定・演出を貫き通す芝居にかける姿・情熱・葛藤などが描かれ、なんとも感動的なストーリーなのでした。
YouTubeで観れますのでみてほしいのですが、これまでの常識に対する疑問とそれを見事な形で作り替え表現し、工夫で持って昇華させる。それは観客の求めるものであり、それを信じで貫き通した姿。これっていうのは紛れもなく経営者に求められているものでもあるなと、感じました。
世の中は今まさに変わりどき。これまでにどれだけ疑問を持てるのか。どの業界・団体・商品にも中村仲蔵の出現というのが望まれているように感じます。そしてゴミ業界の中村仲蔵、私はこれにならなくちゃ〜いけない。