我が家の末の娘は、保育園の頃からピアノを習っています。気が向いたときはふらりとピアノに向かい、好きな曲を弾いている姿はちょっとした日常の風景。
この時期は合唱コンクールに向けて、課題曲の伴奏を練習していることが多いのですが、今年はちょっと様子が違います。
実は今年、初めて伴奏者の予選で落選したのです。
これまでは当たり前のようにピアノ伴奏の座を勝ち取ってきた娘。負けず嫌いの性格をよく知る父としては、きっと心の奥では悔しいはずだと思っているのですが、表情はいたって冷静。
「別に〜」とだけ言って、ピアノの前に座り、弾いているのは――あの名曲、「大地讃頌」。
卒業式のクライマックスで卒業生が歌うこの曲を、今から練習しているということは……
リベンジを狙っているのか。
ピアノの先生の計らいなのか。
はたまた、ただの趣味なのか。
真意はわかりませんが、現時点でなかなかの完成度です。
娘なりの静かな闘志を、指先から感じる父なのでした。
卒業式の伴奏の席、さてどうなることやら。注目です。