新しいことを始めるとき、
それはだいたい「準備万端」の瞬間ではない。
まだ早い気もするし、
本当に必要なのかも分からない。
今のままでも、たぶん回る。
そんな地点で、えいっと踏み出す。
だから「新しい」が始まるときには、
いつも思い切りがいる。
ただ最近は、そのきっかけのほとんどが
「必要に迫られて」だ。
環境が変わり、
人が育ち、
やり方に歪みが出始める。
思えば今は、
父の時代から、私の時代に変わる時なのだ。
やり方も、判断も、背負い方も。
受け継いできたものを胸に収め、
今度は自分の足で立つ段階。
準備ができたから立つのではなく、
立たされた場所で、覚えていく。
そんな感覚に近い。
そんなことを考えていると、
家に帰って、息子が言う。
学校の音楽クラブで
何か演奏するんだとか。
歌か、ピアノか、ギターか。
ベースでもいいらしい。
じゃあベースやったら。
息子は笑顔で頷いた。
私から息子への時代は、
もう少し先のようだ。