郊外を走ると、よく見かけるヤード業者の敷地。
近い業種ということもあって、私はつい視線を向けてしまう。
ある日、そこに並んでいたのは、コンバインの群れだった。
稲刈りの主役である大型農業機械が、所狭しと並んでいる。
今はもう役目を終え、金属スクラップになるのだろう。
就農者の平均年齢は70歳とも言われる。
高齢化の影響もあるのだと思う。
けれど背景には、米価の高騰による機械の更新もあるのかもしれない。
数十年ぶりとも言われる価格上昇。
潤いが生まれたことで、老朽化した機械を入れ替えた農家もあったのではないか、と想像する。
機械は入れ替えがきく。
性能も上がる。
経営としては自然な判断だろう。
けれど——
あの機械を入れ替えるとき、
どんな未来を描いたのだろう。
もうひと踏ん張りしようと思ったのか。
誰かに託す準備だったのか。
それとも、区切りを見据えた決断だったのか。
事情はそれぞれ違うはずだ。
ただ、何十年も田んぼを走った相棒を手放し、
新しい一歩を選ぶその瞬間には、
きっと何かしらの未来の風景があったはずだ。
そう考えると、
あのヤードに並ぶコンバインの列が、
ただの金属の塊には見えなくなり、
少し胸が熱くなった。