正月に仕事だった長女が、今になって帰省している。
「何食べたい?」と聞くと、返ってきたのは「ココスー!」。
都内にはあまりなくて、子どもの頃から家族で通っていた、あのココスに行きたいのだという。
いつもの四人の食卓に長女が加わると、一気に賑やかになる。
笑い声が重なり、声量も自然と上がる。
気がつくと、周囲の席からちらちらと視線が集まっている。
その横で、長男は「勘弁してよ」という顔。
そして、小さな声でぽつりと聞いてきた。
「これが、都会の声量なの?」
訝しむようなその一言に、思わず笑ってしまう。
都会かどうかは分からないが、少なくともこれは“姉がいる日の我が家の声量”だ。
食後、「ボーリングでも行くか〜」という流れになったが、
妻はボーリングが苦手ということで却下。
代わりに始まったのが、なぜかオセロ大会だった。
優勝賞金3,000円。
この金額が、家族を本気にさせるにはちょうどいい。
一気に場の空気が変わる。
私もオセロなんて久しくやっていなかったので、
父の威厳を保つべく、こっそりネットで定石をチェック。
こういうところは、我ながら抜け目がない。
女性陣は、とりあえずの一手を置いていくスタイル。
作戦は特にない。
息子は、なんとなくコツがあることには気づいていたようだが、
見事に私の術中にハマっていった。
結果、優勝は私。
賞金3,000円を手にして、少しだけ得意顔になる。
長女のおかげで、楽しい夕食だった。