最近、ドリップコーヒーでもカフェインレスを選ぶようになった。
理由は単純で、夜ぐっすり眠りたいからである。
以前は「コーヒーは目を覚ますために飲むもの」と思っていた。それなのに今は、眠りのことを考えながらコーヒーを飲んでいる。我ながら少し不思議な気がする。
店頭ではまだ種類は多くないが、ヨーロッパではデカフェはすっかり定番になっているらしい。
調べてみると、コーヒーが広く飲まれるようになった背景には産業革命があるという。
長時間働く人たちにとって、眠気を吹き飛ばしてくれるコーヒーは、まさに時代が求めた飲み物だったのだろう。
それから何百年。
今度は、そのカフェインを減らしたコーヒーが人気になっている。
これも時代なのだろう。
そういえば、ノンアルコール飲料もすっかり当たり前になった。世界では抹茶が健康飲料として人気を集めているという。
一方で、エナジードリンクもよく売れている。
一見すると矛盾しているようだが、考えてみればそうでもない。
仕事中は集中したいからエナジードリンクを飲み、夜は眠りのためにデカフェを選ぶ。
昔は「頑張ること」が求められた。
今は「良い状態で頑張り続けること」が求められている。
そんな違いなのかもしれない。
商品が変わったというより、人が求める価値が変わったのである。
私たちの仕事も同じだ。
昨日まで喜ばれたものが、明日も喜ばれるとは限らない。
世の中の変化は、大きなニュースよりも、一杯のコーヒーのような身近なところに表れる。
そんなことを考えながら、今日もカフェインレスのコーヒーを飲んでいる。