995/1000 BBQが楽しいのは
2026/08/08
先日、ラジオを聴いていたら、凄腕ラジオパーソナリティーであるジェーン・スーさんがゲスト出演されていた。
「ラジオで心掛けていることは何ですか?」という質問に、彼女はこう答えた。
「聞いている人が主役です。」
この一言に、私はかなりの衝撃を受けた。
そのあとに続いた話がさらに印象的だった。
「自分がやりたいラジオに、リスナーを付き合わせるのではない。」
さらに、プロレスも同じだと話していた。
このニュアンスを言葉で説明するのは難しい。しかし、不思議なくらい腑に落ちた。
プロレスラーは、自分が気持ちよく技を出すためにリングへ上がるのではない。観客が熱狂し、「面白かった」と思ってもらうために試合をつくる。
ラジオも同じ。
パーソナリティが話したいことを一方的に話すのではなく、聞いている人が楽しめる時間をつくる。
つまり、主役は自分ではなく、相手なのである。
私は、この考え方はラジオやプロレスだけの話ではないと思った。
仕事もそうだ。
お客様が主役。
会議なら参加者が主役。
講演なら聴いている人が主役。
そして、人を育てることも同じではないだろうか。
上司が主役ではない。
教える人が主役でもない。
育つ人が主役なのである。
子育ても同じだ。
親はつい、自分の理想を子どもに重ねてしまう。
しかし、子どもの人生の主役は子ども自身である。
親は舞台の中央に立つ人ではなく、安心して歩けるように照らす照明係であり、ときには転ばないように支える裏方なのだと思う。
考えてみると、人間関係がうまくいかなくなるときは、「自分が主役」になっていることが多い。
認めてほしい。
分かってほしい。
自分のやり方についてきてほしい。
そんな気持ちが少しずつ大きくなると、相手は脇役になってしまう。
反対に、「相手が主役」という視点に立つと、言葉も態度も自然と変わる。
どうすれば、この人が輝けるだろう。
どうすれば、この人の力を引き出せるだろう。
その問いが生まれるからだ。
「聞いている人が主役。」
ラジオの話として聞いた一言だったが、私には人生の指針のように感じられた。
今日、自分は誰を主役にしているだろう。
その問いを持つだけで、人との関わり方も、仕事も、子育ても、きっと少しずつ変わっていく。
天気予報を見る限り、いよいよ梅雨が明けたようだ。
先日、海外旅行の話になり、ハワイのワイキキビーチの話題になった。
ずいぶん前、社員旅行で訪れたことがあるのだが、現地に着いて最初に思ったのは、「あれ、湯野浜に似ているな」ということだった。
もちろん規模も街並みも違う。しかし、海岸線の広がりや海と山の距離感、そしてダイヤモンドヘッドの岩肌を見たとき、なぜか懐かしさを感じたのである。
同じ湯野浜出身の先輩にその話をすると、「分かる、似てるよな」とすぐに共感してくれた。
子どもの頃の夏は、海水浴シーズンになると湯野浜は大渋滞だった。家から出るのも一苦労で、道路には県外ナンバーの車がずらりと並んでいた。
それほど多くの人が、この海を目指してやって来ていたのである。
しかし今では、あの頃のような渋滞はほとんど見られない。海水浴をしたことがないという子どもも増えているそうだ。
時代は変わった。
だからこそ、梅雨明けの青空を見ると、あの頃の夏を思い出す。
庄内の夏は短い。
海水浴シーズンは、始まったと思ったら、あっという間に終わってしまう。
世界中の人が憧れるワイキキにも、どこか通じる景色が故郷にはある。
そう思って湯野浜の海を眺めると、見慣れた風景が少しだけ誇らしく見えてくる。
今年も短い庄内の夏を、存分に味わいたいものである。
月末の金曜日。
朝から電話は鳴る、鳴る。
現場はフル稼働。持ち込みのお客様も次々と来社され、事務所の中もなんだかお祭り状態。
「今日は忙しいねぇ。」
そんな言葉が何度も飛び交う一日だった。
「忙しい」という字は、心を亡くすと書く。
もちろん漢字の成り立ちは違うのだけれど、この表現は案外うまいことを言っている。
忙しくなると、目の前のことだけで精一杯。
笑顔が減ったり、言葉が少しきつくなったり、「ありがとう」を言い忘れたり。
心が少し迷子になってしまう。
私は、心って太陽系でいう太陽みたいなものだと思っている。
太陽が真ん中でしっかり輝いているから、地球もほかの惑星も、それぞれの軌道を外さずに回っている。
もし太陽がなくなったら、大混乱である。
人もきっと同じだ。
心という太陽が元気なら、仕事もうまく回る。
家族との会話も弾む。
仲間との空気も柔らかくなる。
でも、心が曇ると、何だか全部がうまくいかない。
だから、忙しい日は仕事を減らすことよりも、心をなくさないことの方が大切なのかもしれない。
深呼吸をひとつ。
「ありがとう」をひとつ。
笑顔をひとつ。
それだけで、心という太陽はまた顔を出してくれる。
忙しい毎日は変えられない。
でも、その真ん中で輝く太陽は、自分で守ることができる。
そんなことを思った、月末の金曜日だった。