62/100 100年続く靴底の話
今日は、南陽市にある宮城興業さんの八十五周年感謝祭へ行ってきました。
宮城興業さんは、革靴を作る老舗メーカー。
私も何足か愛用しています。
革には、履き込むことで少しずつ育っていく魅力があります。
足になじみ、しわが入り、色や艶も変わっていく。手入れをしながら、その変化を楽しめる一足に出会えることが、このイベントの醍醐味でもあります。
今回は、茶色のローファーと、明るい茶色のスエードのダブルモンクを迎えました。
そして、なんと社長ご本人にフィッティングしていただきました。
革のこと、ソールのこと、さらには縫い方の難しさまで、丁寧に説明していただきました。
普段は何気なく見ている縫い目にも、技術や手間が込められている。そのお話を伺うと、目の前の靴の見え方も変わってきます。
中でも印象に残ったのが、ダイナイトソールのお話です。
靴好きには知られる逸品ですが、その名前の由来までは知りませんでした。
「DAY&NIGHT」。
人気があり、昼も夜も作るほどだったことから、ダイナイトという名前になったのだと教えていただきました。
そして、そのソールが百年以上たった今も使われている。
私は、そこに素晴らしさを感じました。
百年前に人気があったものが、今も作られ、誰かの足元を支えている。
時代が変わり、新しい素材や製法が生まれる中で、選ばれ続けているのです。
その間には、作り続けてきた人たちと、使い続けてきた人たちがいるのでしょう。
社長のお話からは、そうした歴史やものづくりへの敬意が伝わってきました。
宮城興業さんも、今年で八十五周年。
長く続いてきたものの価値を知り、それを自分たちの靴に生かしている。その姿勢にも心を引かれました。
会社を受け継ぐ私にとっても、考えさせられるお話でした。
日々の仕事を大切に積み重ねながら、次の世代にも必要とされる仕事を残していきたいと思います。
帰宅して、買ってきた二足を眺めています。
これからどんな服に合わせようか。
履き込むうちに、どんな表情になっていくのだろうか。
作りのお話を伺ったことで、これから育てていく楽しみも増しました。
八十五周年、おめでとうございます。
靴と一緒に、心に残るお話も持ち帰ることができました。

