54/100 不合理な楽しみ
昨日は、南陽市にある宮城興業へ行ってきました。
南陽菊まつりを横目に向かった先は、日本の老舗靴メーカー、宮城興業。
ここの靴は本当に素晴らしく、私も何足か愛用しています。
工場に併設されたショップでは、一点ものの掘り出し物やサンプル品が販売されることもあり、たまに覗いてみると面白いのです。
「おしゃれは足元から」
「足元を見る」
そんな言葉があるように、昔から足元というのは、その人を表す大切な部分とされてきました。
しかし、革靴もずいぶん高くなりました。
数年前と比べて、1.5倍以上の価格になっているものも珍しくありません。
一方で、世の中の服装はすっかりカジュアル寄りに。
革靴を履く人も、履く機会も、以前より少なくなっているように感じます。
考えてみれば、革靴というのは、なかなか不合理な履き物です。
新品のうちは硬く、足が痛くなることもある。
自分の足に馴染むまで、いわば修行のような期間が必要だったりします。
最初から柔らかく、軽くて快適な靴がいくらでもある時代。
わざわざ痛い思いをしてまで履く必要があるのか。
合理的に考えれば、答えは明らかなのかもしれません。
それでも、革靴には革靴の楽しみがあります。
履き込むほどに自分の足に馴染み、革には少しずつ表情が生まれる。
汚れを落とし、クリームを入れ、磨き上げる。
手をかけた分だけ愛着が増し、いつしか単なる履き物ではなく、自分だけの相棒になっていく。
最初から完成された快適さではなく、自分と一緒に完成していく楽しさ。
そこに革靴の魅力があるように思います。
さて、今回のお目当ては、先日手放した茶色のローファーの後任探し。
残念ながら、これだ!という一足には出会えませんでした。
まあ、急ぐ必要もありません。
長く付き合う相棒ですから、出会いも大切。
また今度、覗いてみることにします。
こういう買い物も、悪くないものです。

