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毎日ブログ

2026/07/13
956/1000 経営は細部に宿る   

昔、師匠からこんなことを教えられた。

 

「その会社について知りたければ、財務諸表を見るより、現場のトイレや草刈りの具合を見なさい。」

 

そして、こんなことも言っていた。

 

「会社がおかしくなってくると、真っ先にそう言った所の管理ができなくなる。」

 

忙しいから。

 

人手が足りないから。

 

そんな理由はあるのだろう。

 

でも、本当は逆なのかもしれない。

 

細部を大切にできなくなった時、会社は少しずつ本来の姿を失っていく。

 

トイレの汚れ、伸びた草、乱れた倉庫。

 

どれも一日でそうなるわけではない。

 

毎日の小さな見過ごしが積み重なった結果だ。

 

だから、細部は嘘をつかない。

 

会社の文化も、仕事への姿勢も、人を大切にする心も、すべて細部に宿るのだと思う。

2026/07/11
954/1000 夏の一冊   

高校生の息子が、学校の図書館から小説を借りてきた。

夏休みが近いということで、一人八冊まで借りられるのだそうだ。

机の上には、梶井基次郎の『檸檬』、井伏鱒二の『山椒魚』、遠藤周作の『海と毒薬』など、学生時代に見覚えのある作品が並んでいた。

「ちょっと貸して。」

そう言って、一冊借りたのが『檸檬』だった。

何十年ぶりだろう。

読み始めて驚いた。

こんなに短かっただろうか。

 

物語の内容は学生時代よりもずっと心に入ってきたが、それ以上に印象に残ったものがあった。

本の最後に挟まれていた貸出カードである。

何気なく眺めてみると、『海と毒薬』の貸出回数が、『山椒魚』や『檸檬』に三倍近い差をつけて圧倒的に多かった。

少し意外だった。

『檸檬』は短く、『山椒魚』も決して長い作品ではない。

それでも、多くの高校生は『海と毒薬』を選んでいる。

理由は分からない。

課題になっているのかもしれないし、先生の勧めなのかもしれない。

あるいは、若い頃だからこそ、人間の善悪や弱さを描いた物語に惹かれるのかもしれない。

私は学生時代、遠藤周作が好きで何冊も読んだ。

当時は物語を追いかけていたように思う。

しかし今読み返せば、きっと人間の弱さや迷い、赦しといった部分に目が留まるだろう。

本は変わらない。

変わるのは、読む人だ。

二十歳で読んだ一冊と、五十歳を前にして読む一冊では、同じ文章なのに受け取るものがまるで違う。

人生で出会った人、経験した失敗や喜び、そのすべてが読書を深くしてくれるのだと思う。

息子も二十年後、この本を手に取ったら、また違う景色を見るのだろうか。

 

さっさと読んで、息子と文学談義をしようと思う。


2026/07/09
952/1000 大谷翔平とおにぎり   

コンビニで昼ご飯を買う時は、おにぎりとお茶を選ぶことが多い。

売り場には大谷翔平選手の姿が並んでいる。

もちろん、日本の英雄であり、日本人の誇りだ。

企業が広告に起用したいと思うのもよく分かる。

ただ、私はおにぎりを手に取るたびに、少し違うことを考えてしまう。

この広告には、いったいいくらのお金が使われているのだろう。

そして、その費用は商品の価格にどのくらい反映されているのだろう、と。

最近、おにぎりもお茶もずいぶん高くなった。

原材料費や物流費、人件費が上がっていることは理解している。

それでも、毎日買うような商品にまで莫大な広告費が乗っているとしたら、それは本当に私たちのためなのだろうかと思ってしまう。

もちろん、大谷選手が悪いわけではない。

私も大好きだし、日本中が応援している。

でも、不思議なもので、あまりにも広告が前面に出てくると、もしかしたら逆に買いたくなくなることさえある。

私が買いたいのは、大谷翔平ではない。

おいしいおにぎりであり、安心して飲めるお茶である。

 

そんなことを、おにぎりを食べながら考えていた。

2026/07/07
950/1000 妻のお中元   

少なくなったとはいえ、お中元のシーズンがやってきた。

我が家でも、妻が上京している娘たちへ荷物を送る準備をしていた。今年は、それに加えてインドネシアから来ている留学生にも送るという。

妻はその留学生のことを、まるで息子のように気にかけている。

インドネシアはイスラム教徒が多く、宗教上の理由で豚肉を口にできない人も少なくない。そのため、贈る品も「これは大丈夫かな」と、一つひとつ原材料を確認しながら選んでいた。

さらに驚いたのは、送り方への気配りだった。

チョコレートのようなお菓子は暑さで溶けないようクール便が安心だ。しかし、せんべいのようなお菓子は、冷えた状態から常温に戻る際に結露して湿気てしまうことがあるという。同じお菓子でも、送り方は変わるらしい。

受け取り時間もそうだ。

相手は何時ごろ帰宅するのか。「この時間なら受け取りやすいかな」とあれこれ考えている。

私は正直、そこまで考えたことはなかった。

「何を送るか」が大切だと思っていたが、妻を見ていると、本当に大切なのは「相手がどう受け取るか」なのだと気づかされる。

贈り物は、箱の中身だけではない。

相手の暮らしを想像し、安心して受け取ってもらい、おいしく食べてもらう。そのために費やす時間や気遣いも、一緒に届けているのだろう。

私は品物を見ていた。

妻は、その荷物を受け取る人の一日を思い浮かべていた。

2026/07/05
948/1000 湧くワクワク?   

「感謝しましょう。」

よく耳にする言葉だ。

もちろん、その言葉は大切だと思う。

しかし「よし、今から感謝するぞ!」と、まるでスイッチを押すように、「はい、感謝!」とはいかない。

最近思うのは、感謝とは「するもの」ではなく、「湧くもの」なのではないかということだ。


体調を崩して初めて健康のありがたさに気づく。

失敗したとき、支えてくれる人の存在が身に染みる。

当たり前だと思っていた毎日が、実は当たり前ではなかったと気づいた瞬間、心の奥から自然と感謝が湧いてくる。

 

誰かに言われたからでも、努力したからでもない。

だから感謝そのものを追いかけるよりも、感謝が湧いてくるような生き方が大事ということに気が付く。

 

相手を受け入れること。

目の前の出来事を素直に受け止めること。

そんな毎日を積み重ねていけば、感謝はあとから付いてくる。

 

そう考えると喜びも、怒りも、悲しみも、楽しさも。

人の感情は、「つくるもの」ではなく、「湧くもの」なのだ。

「今から怒ろう」と決めて怒る人はいない。

「今から笑おう」と思って笑うことも、案外少ない。

心が何かに触れたとき、自然に感情が湧き上がる。

だからこそ、生き方が大切なのだと思う。

どんな人と過ごし、どんな言葉に触れ、何を信じ、何を大切にするのか。

その積み重ねが、心から湧いてくる感情を育てていく。

できることなら、怒りより笑顔が、悲しみより喜びが、そして感謝がたくさん湧いてくる人生でありたい。

感情はごまかせない。

だからこそ、感情は今の自分の生き方を映す鏡なのだと思う。