毎年この時期になると、飛島へビーチクリーンに出かけていた。
山形県唯一の離島、飛島。青すぎるほど青い海と、初夏にはオレンジ色のトビシマカンゾウが咲く美しい島だ。
その一方で、冬の日本海を渡ってきた海ごみが浜辺には打ち上げられている。私たちは2時間ほどかけて、そのごみを拾う。
汗をかくし、決して楽な作業ではない。
けれど、不思議と嫌な記憶として残っていない。
なぜだろうと考えてみると、私が好きだったのは作業の後の時間なのかもしれない。
港まで戻り、みんなで弁当を食べる。
そしてフェリーの時間まで芝生に寝転がる。
見上げれば、どこまでも高い空が広がっている。
カモメもずいぶん高いところを飛んでいる。
島を渡る風は心地よく、潮の匂いがゆっくり流れていく。
何かをしなければいけないわけでもなく、誰かに急かされるわけでもない。
ただ空を見ているだけなのに、妙に満たされた気持ちになる。
今年はフェリーの都合で中止になった。
島からのご褒美だったあの時間が今年は無いのが残念だ。