月末になると事務所は少し慌ただしくなる。
請求書の発送準備だ。
金額を確認し、封入し、宛名を確認する。一見すると地味な作業だが、会社にとってはとても大切な仕事である。
請求書は単なる紙切れではない。
そこには「確かに仕事をしました」「確かに受け取りました」という、お客様との信頼と信用の積み重ねが記されている。一枚一枚が信頼と信用の交換ツールなのだ。
月末の事務所では、プリンターが動き、封筒が積み上がり、スタッフが手分けして作業を進める。
当たり前の光景だが、よく考えてみると不思議なものだ。
電子帳簿や電子請求書が当たり前になりつつある今、この作業も10年後には無くなっているかもしれない。
紙に印字し、封筒に入れ、切手を貼り、ポストへ向かう。
長い間続いてきたこの仕事も、気がつけば時代の変化とともに姿を消していくのだろう。
夕方、発送を終えた請求書を抱えてポストへ向かった。
かつてあった作業という記憶の1ページに留めるように、そっと投函した。