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794/1000 吹雪の中「あじまん」で一つになる 

794/1000 吹雪の中「あじまん」で一つになる 

当社一大プロジェクト工事2日目、

関東と名古屋から来てくださった職人さんたちを迎えたのは、吹雪だった。

庄内式の手荒い歓迎である。

「それほど酷くならなくてよかったです」

そう言うと、職人さんが少し真顔で聞き返した。

「……これより酷い時、あるんですか?」

庄内の冬は「よくこんな所に住んでるね」とまで言わしめる凄まじさがある。


現場が少し落ち着いたところで、一服。

ストーブに寸胴をかけ、湯を沸かす。

そこに缶コーヒーを沈める。

横でクーラーボックスを開けると、湯気の立つ「あじまん」。

山形のソウルフード、大判焼きだ。

出来たてを買ってきて、冷めないように詰めてきた。

蓋を開けた瞬間、白い湯気と甘い匂いが立ち上る。

「おお……」

あちこちから小さなどよめきが起きる。

椅子はないので、ビールケースを並べて即席の腰掛け。

ストーブを囲んで、車座になる。

電気屋さん、機械屋さん、クレーン屋さん。

分野の違うプロフェッショナルが十数人。

手にしているのは、あじまんと、寸胴で温めた缶コーヒー。

誰かが言った。

「なんか、田舎の集会場みたいですね」

たしかにそうだと思った。

吹雪の外。

鉄の音の現場。

その真ん中に、ストーブと湯気と甘い匂い。

缶コーヒーは、ただの缶コーヒーじゃなかった。

寸胴で温めたそれは、指先から体の芯まで、まっすぐ効いてくる。

「あー……生き返る」

その一言で、今日ここに集まった理由の半分くらいは、もう十分だった気がする。


吹雪に当たり、あじまんをかじり、同じストーブを囲む。

工事二日目。

一体感がすごい。