高校生の息子が「本棚を買ってくれ」と言った。
組み立てて、一緒に本を並べ替える。背表紙には、私の知らないタイトルが並ぶ。ちゃんと自分の世界を歩いているのだな、と少し嬉しくなる。
「どれか貸してくれ」と言うと、差し出されたのは
『20代で得た知見』(F 著)だった。
全く知らない本だったがページを開くと、痛々しいくらい素の人間の“生”のつぶやきが、そのまま綴られている一冊だ。格好もつけず、正しさにも寄りかからず、ただ心の奥にある感情を差し出してくる。その世界観に、ニヤリとしてしまった。
高校生の頃の自分もここに呼び寄せて一緒に読み進める。当時、未来は広くて、めちゃくしゃ怖かった。期待もあるのに、不安のほうがはるかに大きい。自分は何者になるのか。どう生きるのか。と
48歳になっても、問いは消えない。経験は増えた。失敗も重ねた。それでも世界は広いままだ。進めば進むほど、まだ知らない景色がある。不安と期待は、今も隣り合わせだ。
この本のテーマは、私にとっては「愛」だなと感じた。
どう自分を愛すのか。
どう人を愛すのか。
16歳にも16歳なりの答えがあり、
48歳には48歳なりの答えがある。
この本を、寝る前に少しずつ読みすすめるのが最近の楽しみだ。
あからさまな反抗期も無いように思える、いわゆる良い子である息子。
だがこんな本を読んで
ちゃんと悩み、ちゃんと青春をしている。そのことが何より嬉しい。
16歳も、48歳も、
同じ問いを抱えながら、生きている。