昨日は妻を連れて、映画 「爆弾」 を観に行ってきました。
この作品は文庫本で読んだときから、「きっと映画化されるだろう」と期待していた一作です。実際に映画化され、主演は山田裕貴。その上、スズキタゴサク役に佐藤二朗さん——このキャスティングを知ったときに、観たい気持ちが一気に加速しました。
作品は、ほぼ原作通り。
物語の流れも、空気感も、あの“読んでいたときの呼吸感”がそのまま映像になったようで、原作好きとしては嬉しい限りです。
そしてやはり圧巻だったのは、佐藤二朗さんが演じるスズキタゴサク。
迫力と不気味さ、そしてどこか哀愁のある佇まい。原作の中で私が脳内に描いていたタゴサク像を軽々と越えてきました。ホームレスという設定のリアリティもすごく、ヒゲや服装のくたびれ方はもちろん、特に“歯”。あの黄ばんだ歯の存在感が妙に気になって、気づけばそこばかり目で追ってしまいました。
一方、妻の映画の楽しみ方はというと——。
上映前にカフェラテとキャラメル味のポップコーンを嬉しそうに抱え、準備万端で席に座ったまではよかったのですが、ものの数分で船を漕ぎ始め、爆破シーンのたびにハッと驚いて目を覚ますという、なんとも贅沢な鑑賞スタイル。隣で見ていて思わず笑ってしまいました。