64/100 腕時計も衣替え
秋も深まり、朝晩はすっかり寒くなった。
そんな季節の変わり目に、腕時計のベルトを金属ブレスレットから革ベルトに交換してみた。
今回交換したのは、昔風のパイロットウォッチ。
革ベルトは汗や湿気に弱いので、汗ばむ夏場よりも秋冬の方が使いやすい。季節に合わせた、ちょっとした衣替えである。
しかし、この腕時計のベルト交換という楽しみは、実に奥が深い。
革の質感や色、ステッチの有無や色。金具の素材や形状、一般的な尾錠にするか、着脱しやすいDバックルにするか。
革だけではない。ナイロン製のNATOストラップという選択肢もある。
組み合わせを考えれば、楽しみは無限に広がる。
ただ、一つ残念なことがある。
それは、私の所有する腕時計が、すべてラグ幅が奇数だということ。
ラグ幅とは、腕時計本体にベルトを取り付ける部分の幅のこと。一般的には18mm、20mm、22mmといった偶数サイズが多く、奇数サイズはベルトの選択肢がぐっと少なくなる。
欲しいベルトを見つけても、サイズがない。
そんなことも珍しくない。
しかし、不思議なもので、その不便さもまた面白かったりする。
限られた選択肢の中から、自分の好みに合う一本を探す。
ようやく見つけたベルトを取り付けてみると、見慣れた時計がまるで別の時計のような表情を見せる。
新しい時計を買わなくても、今ある時計を何度でも新鮮な気持ちで楽しめるのだ。
便利さや選択肢の多さだけが、豊かさではないのだろう。
少しの不便と、少しの手間。
それすら楽しめるところに、趣味の醍醐味があるように思う。

