帰宅して車を降りると、ふんわりとニセアカシアの香りがした。
甘くやわらかな、初夏の匂いだ。
この時期になると、至る所で見かける。
ちなみにニセアカシアは、名前に“ニセ”とついているが、実際には北米原産の外来樹で、正式には「ハリエンジュ」という木らしい。
日本に入ってきた当時、アカシアと勘違いされたことから「ニセアカシア」と呼ばれるようになったそうだ。
この香りは強く記憶に残っている。
小学生の頃の通学路。
あの頃の記憶の中には、ニセアカシアの香りと、草や土がムワッと立ち上がる青々しい匂いが混じっている。
雨上がりだったのか、朝露だったのか。
道端の草はいつも勢いがあって、子供だった自分は、その匂いの中を毎日歩いていた。
それにしても、“ニセ”という名前はやはり少し気の毒である。
外来種だからしょうがないのかもしれないが、私の記憶の中ではずっと忘れられない