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858/1000 後始末の気持ちよさ 

858/1000 後始末の気持ちよさ 

昨日、「侍タイムスリッパー」を観た。幕末の会津藩士が140年後の現代に現れるという物語だが、印象に残ったのは刀でも戦いでもなく、ひとつの静かな所作だった。

どうでもいいようなワンシーンだが、混乱の中でも彼は布団をきちんと畳んでその場を後にする。

 

ほんの短い場面なのに、「武士とはこういうものだ」と自然に思わせる力があった。もちろんフィクションなのだけれど、不思議と納得してしまう。きっと武士ならそうするのだろう、と。

 

実は私は朝の布団を畳むかどうかで、妻によく注意される。どうせ私がもう一度畳むのだから、そのままでいいと言われるのだ。合理的に考えればその通りである。

 

けれど今朝は違った。映画の余韻のまま、きっちり畳んでから出社した。

 

すると不思議なもので、気持ちが整う。

 

布団を畳むというのは効率の問題ではなく、「後始末」なのだと思う。自分がいた場所を整えて去るという、小さな区切りのようなものだ。

 

私たちの仕事もまた後始末に関わっている。暮らしのあとを整え、時間の痕跡を整え、人の営みを次へ渡していく仕事だ。

 

整えて去る。

 

それだけのことなのに、そこには確かな気持ちよさがある。