エアコンの取り外しの依頼があって行ってきた。
90代ぐらいのおばあちゃんの住むマンションだ。予定を覚えていてくれるか心配だったが、エアコンの下に脚立まで構えていてくれた。
入ると対面キッチンのダイニング側に、仏壇が置かれていた。ご主人に先立たれたのだろうということが自然と伝わってきた。
エアコンはガスを回収するために電源を入れる必要があるので、「リモコンありますか?」と聞くと、「これかしら」と差し出されたのは、なぜか爪切りだった。
「あ〜ちょっと違うかな〜」と言って、本体のスイッチで強制運転をかけてガスを回収する。
作業の間、いろいろなお話をした。
買い物はどうされていますか?と聞くと、「近くのスーパーまで歩いて行ってるの。健康のためにね」と教えてくれた。
なんとかんく、持ち物や所作で現役の頃の職業を推測してしまうのが悪い癖で、先生ぽいなと思い、先生をされていましたか?と聞いてみると、
「隣町の役場に勤めてました」とのことだった。
あの役場は新しくなりましたが、行かれましたか?と聞くと、「この前、娘に連れていってもらって見てきたの、だいぶ変わってたね〜」と少しうれしそうに話してくれた。
そして最後に、しっかり作業料金は値切られた。
この方の人生の数万分の1の時間を共有して、人生のほんの一部だけれどを伺うことができた。