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842/1000 社長が梁を掃除する理由 

842/1000 社長が梁を掃除する理由 

家では掃除機を持つことはほとんどない。

自慢ではない。

しかし、どうしても掃除機を掛けたい場所があった。

それは会社の工場の梁である。

鉄骨の梁。

数ヶ月前、高所作業車を借りて蜘蛛の巣取りをした。そのついでにバッテリー式のブロワーで埃を飛ばしてみたのだが、全然綺麗にならない。

これはもう掃除機で吸うしかない。そう感じた。

しかし工場の梁と小梁をすべて綺麗にしようと思うと、かなりの覚悟と時間がいる。

しばらく見ないふりをしていたが、昨日思い切ってやることにした。

12mの高所作業車を再度借りて、スターウォーズのR2-D2のような丸い掃除機を持ち込み、いざ作業開始。

吸っても吸っても埃が出てくる。

そしてついにR2-D2がダウン。

仕方なく2台目を投入することになった。

丸一日かけて終わったのは工場の4分の1ほど。

それでも回収できた埃は20kg。

おそらく20年分の埃だろう。

今回はここまで。

あと3回やればゴールだ。

高所作業車の上で、ただひたすら掃除機を掛ける。

誰に褒められるわけでもないし、効率の良い仕事でもない。

しかし、終わった後の工場を見上げたとき、なんとも言えない気持ちよさがあった。

ふと思う。

会社というのは、こういう場所なのかもしれない。

誰も見ていないところに、埃は溜まる。

そしてその埃は、気づかないうちに積み重なっていく。

社長の仕事は社風をつくることだと言われる。

もしそうだとしたら、

社風とは「見えないところの埃」をどう扱うかなのかもしれない。

そんな話を家で妻にすると、笑いながら言われた。

「へえ、気になるところあったんだ〜」

普段は掃除機を持たない男なのだが、

どうやら私にも、気になるところはあるらしい。