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786/1000 入るを量りて、出ずるを制す 

786/1000 入るを量りて、出ずるを制す 

パーソナルトレーニング6ヶ月コースが、いよいよ最終月に入った。

体重は約3kg減。

ウエストは4cm減。

数字だけを見れば、劇的な変化ではないかもしれない。

でも私にとっては、十分に現実的で、十分に嬉しい変化だ。

スーツのウエストが少し楽で、

階段を上ったときの息が少し軽い。

この「少し」が、日常の中では案外大きい。

この6ヶ月で手に入れた一番の成果は、

実は体重でも、筋肉でもない。

何を食べてはいけないかを知った。

何を食べると調子がいいか。

何を食べると眠くなるか。

何を食べると、翌朝むくむか。

何を食べると、体が重くなるか。

正解のメニューを覚えたというより、

「自分に合わないもの」が、体で分かるようになった。

これはたぶん、一生使える感覚だ。

正直、このコースが終わったらどうなるんだろう、という不安はある。

トレーナーがいなくなり、

予約がなくなり、

「行かなきゃ」が消えたとき。

人は簡単に元に戻る。

それを私は、仕事でも、暮らしでも、何度も見てきた。

そんなことを考えていたとき、ふと思い出した言葉がある。

「入るを量りて、出ずるを制す」

細井平洲の言葉だ。

最初に、場を量る。

状況を量る。

自分の立ち位置を量る。

そのうえで、

どこに着地するかを決める。

どう終えるかを定める。

経営でも、会でも、文章でも、

入り方が決まれば、出口は半分決まる。

この6ヶ月を振り返ってみると、

私はずっと「入るを量る」時間を過ごしていたのかもしれない。

自分の体は、何に反応するのか。

何を入れると、どうなるのか。

どんな生活リズムなら、続くのか。

無理をしたかと言えば、していない。

気合で乗り切ったかと言えば、たぶん違う。

ただ、淡々と量っていた。

どうやら私は、

一気に変わるのは得意ではないけれど、

コツコツ続けることは、案外できるらしい。

派手な目標は立てない。

気合も長くは続かない。

その代わり、決めたことを、静かにやる。

振り返ると、

続いているものがあり、

そばに残っているものがあり、

体もまた、静かに変わっていた。

正直、筋肉をこのまま維持するのは難しいと思う。

多少は落ちるし、サボる日も出てくる。

でも、

全部失う感じはしていない。

なぜなら私はもう、

戻り方を知っていて、

太り方も知ってしまっていて、

そして何より、

何を食べてはいけないかを知っているからだ。

パーソナルトレーニングが終わるというより、

管理される期間が終わって、

自分で選ぶ期間に入る。

6ヶ月かけて「入り」を量った。

これからは、自分で「出口」をつくっていく。

どんな生き方をしたいのか。

そして、それを支える身体はどうありたいのか。

その「出口」から逆算して、いまの入りを量る。

これは、身体の経営学なのかもしれない。