急に、ぼたぼたと音を立てるような雪が降ってきました。
そんな夜に、上京している娘たちが帰省しました。
せっかくだから、みんなで焼肉に行こう、という流れになります。
向かったのは、日頃からごみ収集でお世話になっている、馴染みのお店。
家族は総勢八名。
いつもなら席が分かれてしまう人数ですが、この日は運よく、六名席に八名がけ。
決して広くはありません。むしろ、かなり近い距離感。
その近さが、不思議と場の熱を高めてくれました。
この日は、いつも運転手役の私も飲むことに。
代行は前日にきちんと予約済み。
覚悟を決めて、本腰を入れて食べ、そして飲みました。
成人した娘たちと盃を交わす時間は、やはり格別です。
時間は、知らないうちにきちんと仕事をしていたのだなと思います。
その夜の会話は、誰か一人が主役になるものではありませんでした。
仕事の話、性格の話、昔の思い出。
「そんなこと、あったっけ?」と笑いながら、記憶をつなぎ直す。
それぞれが語り、それぞれが聞く。
互いの成長や変化を、みんなで確かめ合うような時間でした。
家族というチームのチューニングを、自然にやっていたのだと思います。
それにしても、娘ざかりの娘たちを見ていると、頼もしいの一言です。
よく食べ、よく飲み、よく笑う。
もう守るだけの存在ではなく、並んで時間を重ねていける人になっていました。
外はすっかり雪景色。
焼肉の煙と笑い声に包まれた店内は、驚くほどあたたかい。
雪の夜の焼肉は、家族の今を確かめる、静かで賑やかな時間でした。