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毎日ブログ

2025/07/07
583/1000 なんか違う、から始まる一着   

スーツを仕立てるというのは、実に難しい。


無限とも思えるパターン、ちっちゃな生地サンプル、

そして、鏡の前で「これ、似合うんだろうか?」と自問自答する日々。

正直、あのサンプル生地だけで全体像を想像するのは無理な話しだ。

ついWEBで誰かの着こなしを参考にしてみるものの、

その誰かは当然ながら自分と違う。

似合うかどうか? わからない。

そう、これはもう、経験と失敗が物を言う世界かもしれない。


そんなこんなで

やっと完成した今回の一着だったが、

やはり気になって、仕立て直しを決意する。

違和感はごまかせない。


訪れたのは近所の仕立て直し店。

店先には、80代?ぐらいに見える小柄な女性が座っていた。

一瞬、「大丈夫かな…」とよぎる不安。

だが、その方が放った第一声が、


「LINE登録で10%オフになりますよ〜」


この人、只者じゃない。

そう直感した。


そして意を決して私は告げた。

「裾を15ミリ詰めて、裾幅を20ミリ細く。膝上からテーパードでお願いします」


この繊細なオーダーが伝わるのか?

と思ったのも束の間、「ああ、それなら大丈夫ですね」と、

さらりと受け取る手つきに、職人としての風格がにじんでいた。


10日後、スーツは返ってきた。

パーフェクトだった。


「なんか違う」が、「これが良かったんだ」に変わる瞬間。

たった数ミリの調整が、着る者の気持ちまで整えてくれる。

スーツって、やっぱり不思議だ。


かの凄腕の女性に、心から感謝している。


2025/07/05
581/1000 物は語らず、私たちに問う   

物は語らない。

そして、語れない。

だから私たちは、物を「思い通りにできる存在」だと信じている。

使うもよし、仕舞うもよし、処分するもよし。

何ひとつ、文句を言ってこないからだ。


けれど、そうやって“思い通り”にした結果、

押入れの奥で、棚の上で、物たちは静かに時を止めてしまう。

まだ使えるのに、使われない。

生かされず、ただ「取っておかれている」。


それは、死蔵された命に似ている気がする。


私は、物にだって“役割”や“願い”のようなものがあると感じている。

食器は食卓で、服は体に寄り添って、

家具や道具は日々の営みを支えるために、生まれてきた。

なのに、それを奪っておきながら、

「捨てるのはもったいない」と自分に言い訳して、閉じ込めているのではないか。


一方で、「我が子」はどうだろう。

語る。語りかけてくる。

そして、決して思い通りにはならない。

心配し、悩み、時に腹を立てながら、

それでも私たちは子を見守る。

なぜなら、その存在に「意思」があり、「未来」があると知っているから。


物には意思も未来もない、と思われがちだけれど、

実は私たちがそれをどう扱うかで、

その“命の行き先”を決めてしまっているのかもしれない。


だから私は、物にも少しだけ、子に向けるような慈しみの目を向けたいと思う。

ただ便利だから、役に立つからではなく、

“今、ここで生きているか?”と問いかけるような目で。


子どもを押し込めて育てることができないように、

物だって、閉じ込めておいてはその価値を発揮できない。


今日も、手に取る。

使ってみる。譲ってみる。

そして、ときには「ありがとう」と言って手放してみる。


物は語らないけれど、

私たちの手の中で、その沈黙が意味を持つときがある。


2025/07/03
579/1000 まだ海開き前。でも海もカニも、もう始めていた   

車で庄内浜の海岸線を走っていた。

窓を開けると、潮の香りがふわっと鼻をくすぐる。

その瞬間、「ああ、夏が来るな」と思った。


海開きはまだ先のはずなのに、

浜辺の空気は、もうすっかり夏の準備ができていた。


監視本部の前では、スタッフの皆さんが監視台や資材を運んでいて、

その様子にはすでに、夏の高揚感と緊張感があった。

今年も始まる。庄内の夏が。


ふと視線を海に向けると、もう海に入っている人たちがいた。

高校生くらいのグループがTシャツのまま、波に飛び込んでいる。

まだ“正式には”開いていないけれど、この暑さじゃ入りたくもなる。

夏は、誰かが「スタート」と言う前から始まっている。


そして道路では、ちょっとしたサプライズがあった。

モクズガニが1匹、トコトコと横断中。


あまりの暑さに誘われて出てきたのか

と思ったが、実はこの時期、彼らは産卵のために海へ下りてくるらしい。

モクズガニは普段、淡水〜汽水域に生息しているけれど、

夏になると、こうして海岸線の道路を横断することがあるのだという。


生き物たちは、人間の都合とは関係なく、ちゃんと自分たちのリズムで夏を始めている。


もしかすると、「開くのを待っている」のは僕たち人間のほうなのかもしれない。


海も、波も、風も、カニさえも、もうとっくにスタンバイOKだ。


今年もこの庄内浜が、何かを洗い流し、何かを始めさせてくれる気がする。

そんな夏の入り口に、車窓から少しだけ立ち会った気がした。

2025/07/01
592/1000 夏にウールコートを探す理由   

外は30度を超える夏日。

蝉の声が響き始めたばかりの昼下がり、

アイスコーヒー片手にスマホをスクロールしている。

探しているのは、ウールのコートだ。


この時期に?と思われるかもしれないけれど、

実はこれ、僕にとっては毎年恒例の“夏の始まりの冬支度”。


ちょっと変わってるかもしれないけれど、理にかなっていると思っている。


まず、夏の立ち上がりって、まだ目立たないけれど、しれっとセール価格で、しれっと在庫も豊富。

しかも最近は、セール価格でも返品OKのショップが増えている。

気軽に取り寄せて、気に入らなければ戻せばいい。

そのくらいの気持ちで冬物に触れられるのは、今の買い物の面白さだ。


実際、昨年はこの方法でダウンジャケットをゲットしている。

10月を迎える頃にはすでにスタンバイ完了。

「あ、寒くなったな」と思った日には、もう着られる。

あの感覚は、けっこう気持ちいい。


今、気になっているのはオリーブカラーのウールコート。

カーキより落ち着いていて、土臭さのない、どこか品のある色。

着こなせたらかっこいいと思う。

だけど、妻からは無難なネイビーを勧められている。


「手持ちの服に合うし、長く着られるよ」

それはその通り。ネイビーには安心感がある。


だからまずは、オリーブを取り寄せてみることにした。

実際に袖を通してみて、「やっぱりこれはハードル高いな」と感じたら、

その時は素直にネイビーにしようと思っている。


好きなものを追いかけながら、現実との折り合いもつけていく。

服選びって、そういう小さな判断の連続なんだろうなと思う。


汗をかきながらスクロールしたこの一枚が、

秋の朝に袖を通したとき、

「この暑さも、悪くなかったな」と思わせてくれる

そんな買い物になるといい。

2025/06/29
590/1000 みんな居場所を求めてきた    

今日は、コロナの病み上がりということもあって、

朝からゆっくりめにウォーキング。

その流れで草刈りして、気になってたガレージの片付けまでやって、

身体を少しずつ“現世”に戻していた。


で、午後はと言えば──

『GUNDAM ジークアークス』全12話、6話から一気に観た。


いや〜、面白かった。

ファーストやZを観てきた身としては、ああいう“わかる人には刺さる”演出も多くて、じわじわ嬉しかったりする。


でも今回なにより印象的だったのは、「視点が変わったなあ」ってこと。

昔の自分なら、主人公にがっつり感情を乗せて観ていたはずなのに、

今はちょっと距離を置いて観てる。

なんなら、部長ポジションのシャリア・ブル目線の方がしっくりくる場面も多かった。


子どもの頃は、「俺を見ろ!」って叫ぶ主人公に、自分を重ねてた。

今はもう、ああいう真っすぐさに懐かしさすら感じてしまう。


今の若い世代が、ジークアークスの主人公たちに共感するのも分かる。

居場所がうまく見つからなかったり、空気を読みすぎてしんどかったり。

そういう中で、GUNDAMという“自分だけの居場所”に惹かれていく感覚は、昔も今も変わらないのかもしれない。


そして、自分が今そこに直接は共感できなくても、

「そうか、そういう時代なんだな」って少しだけ俯瞰で観られるようになったのは、

今のボクには居場所があるからなのかもな〜と思ったりした。

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