東京出張1日目が終わった。
予定が終了して、一目散に向かったのは、ホテル。そしてそのあとはもちろん、どこにも行かずにホテル。
せっかく東京に来たんだから、飲みにでも行けばいいのにと自分でも思うのだけれど、いつも全くそういう気分にならない。
多くの人は「もったいない」と言う。
たしかにそうなのかもしれないが、私はコンビニでお茶を買って、静かな部屋に戻る瞬間に、いちばんほっとしてしまう。
部屋に入り、夜景でも眺めようかとカーテンを開けると、隣のビルの壁だった。
思わず笑ってしまう。東京らしいと言えば東京らしい。絶景ではないが、がっかりするほどでもない。ただ、無機質な壁がこちらを静かに受け止めている。
若い頃は、知らない街に来ると意味もなく歩いた。外に出て、何かを取り込まないと損をする気がしていた。今は逆だ。一日分の言葉や判断で、身体も頭も満ちている。これ以上入れなくてもいい、とどこかで思っている。
ただ明日は、上京している長女と飲みに行く約束をしている。それを思うと、この静かな夜も、なんだかもう少しだけ賑やかだ。
誰の声も物音もしない、エアコンの音だけが響く部屋の中、家では味わえない、一人の静かな時間が、とっても心地いい。