名古屋空港に降り立った瞬間、表示された気温は35℃。
蝉の声こそまだ聞こえませんでしたが、ジリジリと焼きつけるような日差しに、
「ああ、夏がすぐそこまで来ている」と肌で感じました。
その足で向かったのは、国宝・犬山城。
木曽川を望む高台に建つその姿は、まさに威風堂々。
天守閣に上がってみると、その高さに少し足がすくみました。
でも、それ以上に、風が気持ちよかった。
景色が開けていて、遠くまで見渡せて、「いま、ここにいる」という実感が、すとんと胸に落ちてきました。
城下町の散策もまた楽しく、
ふとすれ違った浴衣姿のカップルや、
地元のおじいちゃんの何気ない会話に、旅情を感じました。
そして明日は、人生で初めて岐阜県での講話に臨みます。
これまでさまざまな地域でお話させていただく機会をいただきましたが、
初めての土地というのは、やはり少しだけ胸が高鳴ります。
どんな出会いが待っているのか。
どんな言葉が、この場所で届くのか。
犬山の空の下、歴史の風に吹かれながら、そんなことを静かに思っています。