昨年より始まった古道具レスキュープロジェクトも、気づけば1年が経過した。
走りながら考え、考えながら動いた一年。
やってみたからこそ見えてきた課題も、やはり多い。
古道具の“入り口”を担う私たち家財整理業者は、どうしても現場でのスピードが求められる。
限られた時間の中で片付けを進める必要があり、「これは救えるかもしれない」と思っても、一つひとつ丁寧に向き合う余裕が持てない場面も少なくない。
一方で、“出口”となる築150年の町家カフェ 古今coconn では、また別の現実も見えてきた。
地元の人が古道具を見ると、
「これ、家にもある」
そんな反応になることが意外と多い。
もちろん、それは悪いことではない。
むしろ地域に根付いた文化だからこその反応なのだと思う。
ただ、面白がってくれる人、価値を“再発見”してくれる人はまだ少数派だ。
ところが、県外やイベントへ持って行くと、不思議なほど売れるものが変わる。
土地が変わるだけで、“ただの古いもの”が“魅力的な一点物”に変わる瞬間があるのだそうだ。
そんな中、このプロジェクトに新たな仲間が加わった。
起業家の 佐藤大栄 君だ。
彼はイタリア家庭料理のカフェを10年経営し、自身も農業生産者。
さらに、廃棄される果物からジュースを製造し、都内で販売する事業まで立ち上げ、今も継続している。
“捨てられるもの”に新たな価値を見出し、人に届ける。
その感覚は、古道具レスキューともどこか重なる。
しかも彼は、人脈が国内外に広い。
これまで庄内の中だけで考えていた景色が、一気に外へ開いていくような予感がある。
レスキューの担い手。
新たな販路。
地域外との接点。
そして、「古いもの」を面白がる視点。
古道具レスキュー2年目。
また少し、面白くなってきた。
さて、ここからどう変わっていくのか。
私たち自身も、まだ見たことのない景色を楽しみにしている。