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760/1000 ストロングスタイルで向き合う、顧客データ 

760/1000 ストロングスタイルで向き合う、顧客データ 

今、私は顧客データの整理という、ひとつの大きなプロジェクトに向かっている。

正直に言えば、

一円にもならない仕事だ。

当社はごみ処理の仕事をしている。

誰しもがクライアントになり得る仕事で、その分、顧客数はどうしても多くなる。

今回はその中でも、法人顧客に絞った整理だ。

気がつけば、向き合っているのは約20年分のデータだった。

やり方は、相変わらずのストロングスタイル。

PC内のデータ整理なのだから、本来であれば物理的なモノはない。

フォルダを開いて、ファイルを分けて、名前を整えて終わり。

きっとそれが、いちばん効率的なのだと思う。

でも、それではどうにもつまらない。

それに、ひとりで完結してしまう。

整理というのは、本当は

「みんなが関われる」ほうがいい。

そう思って、思い切って

持っているデータをすべてプリントアウトしてみた。

机の上に広がる大量の紙。

それらを一枚一枚手に取り、

紐づいているデータ同士をホチキスで留めていく。

この作業が、思いのほか楽しい。

画面越しに見るデータとは違い、

紙には重さがあり、手触りがあり、存在感がある。

ストロングスタイルを好む私には、

このやり方がいちばんワクワクする。

まずは第一弾、要不要のジャッジ。

もう存在しない会社。

当社との取引がとっくに終わっている会社。

名前を見ても、記憶がまったく蘇らない会社もある。

淡々と、でも確実に仕分けていく。

そして、

仕分け終えた紙を計量してみた。

結果はこうだった。

必要なものが 2.5kg。

不要なものも 2.5kg。

何ギガとか、何メガとかじゃない。

**kg(キログラム)**だ。

この数字を見たとき、

「よくここまで溜め込んだな」と、妙に腑に落ちた。

ここから先は、

中分類をして、最新情報を確認して、

紙のデータは最終的に電子データへと変換されていく。

でも、いきなりデジタルで完結させなかったのは、正解だったと思う。

物理的だと、

手で触れるから判断が早い。

複数人で同時に作業できる。

「これは何だっけ?」という会話が、その場で生まれる。

整理が、

ただの作業ではなく、共有の時間になる。

一円にもならない仕事かもしれない。

けれど、この整理が終わった先には、

これからの仕事を支える確かな土台がある。