お彼岸ということで、妻の実家のお墓参りに出かけました。
義父はいつになく陽気で、孫たちと並んで写真を撮りたがったり、いつもは家で待っているのですが、一緒に墓参りに行った私を開山堂へ案内してくれたりしました。
その姿に「今日は特別だな」と感じていたのですが、ふとした拍子に義父の口から出てきた言葉が、少し胸に残ります。
「そろそろ終活しなきゃな」
「今の写真は遺影に使って欲しい」
「この家を片付けると、どのくらいかかるんだ?」
笑顔の裏にちらつく現実。冗談半分に聞こえながらも、その一言一言が心配になってしまう。
けれど同時に、こうして自分のことを笑いながら語れるのは、元気でいる証なのかもしれません。
お墓参りを終え、帰りに買ったアイスクリームをみんなで食べながら撮った写真の義父は、少し子どものように無邪気な笑顔でした。
その写真を家族のLINEグループにアップすると、東京にいる娘たちからすぐに返信がありました。
「じい、かわいいね」
「背抜かれたね」
「久しぶりに行きたいな〜実家」
そんな言葉に画面越しに笑い合う家族。離れていても、ひとつの笑顔でつながる瞬間がありました。
その笑顔を見ていると、「まだまだこれから」と思いたくなるのです。