お客様なのですが、いつもものすごい態度の方がいらっしゃいます。こちらが名乗るやいなや、嵐のような口調で用件が始まる。私たちは奴隷ですか?と聞きたくなるほどの迫力です。
もちろん仕事ですから、笑顔で受け答えします。でもスタッフと顔を見合わせて「客商売なのに、あの態度ってどうなの?」とつい言いたくなる。いや、むしろあれだけ鼻息荒くしていたら健康に悪いんじゃないかと、心配すらしてしまいます。
昔、先輩経営者から「三方よし」という言葉を教わりました。売り手よし、買い手よし、世間よし。商売ってそういうものだと。だから今は鼻息荒い人も、長いスパンで観察してみたら面白いんじゃないか、とその先輩は笑っていました。
思えば、私の若い頃もそうだったのかもしれません。勢いだけで突っ走って、相手の立場も考えず、今思えば恥ずかしいくらい。多分、経営者になっていなかったら、そんな事にも気がつけず今でもそんな風に振る舞っていたんじゃないかと思います。
結局のところ、みんなコンプレックスとか、マウント取りたい気持ちとか、つまらぬ何かを抱えて、生きているかわいい存在でもあるのです。可愛いなと思うと、こっちの気持ちまで晴れてきます。みんな「人間だもの」