「絶対に負けられない戦い」
そんな表現を、僕ら日本人はどうも好むらしい。
気づけば、自分の人生も、そんな“負けられない場面”に踊らされて来た気がする。
仕事、家族、地域の役割。
「ここは譲れない」「ここだけは…」と、自分に言い聞かせながら。
でも、ふと立ち止まって思う。
それは一体、誰との勝負だったのだろうか?
誰に勝つ必要があったのか。
勝ったところで、本当に得たかったものは手に入ったのか。
その答えが、実はずっと曖昧だった。
50歳を前にして、ようやく少しずつ見えてきた。
もう、誰かの尺度や物差しで自分の在り方を決めなくてもいい。
「自分はどうしたいのか」その問いを軸に選ぶようになった。
いや、もうすでに、選んでいる。
自分で選び、自分で納得し、自分でケツをまくる。
そんな生き方が、少しずつ自分の中に根を張っている。
勝ち負けじゃない。
どう生きて、どう終わるか。
腹をくくる先に、ようやく「自分らしさ」が見えてくる。
そんなことを
会社の経営というものを通して、僕は教えられた気がする。
社長業10年目の年。
ここまで来て、やっと本当の意味で「できる」と思えるようになった。
そして今、心から思う。