珍しく妻がそんなことを言って、騒ぎ出した。
「今年こそ赤川花火を観たい」と。
思えば昨年は、チケットを取り損ねた。
妻と娘は遠くの屋上ビアガーデンへ。
私は息子と、町中が静まり返った頃を見計らって、ガラガラのファミレスでのんびり夕食だった。
けれど静かな店内にも、尺玉の振動だけは届いてくる。
窓の外には何も見えないのに、「ああ始まったな」と分かるあの感じ。
今ごろ何をやっているのかな、と何度も思った。
赤川花火のすごさは、大きさだけではない。
全国の花火師が競い合う大会で、音楽とぴたりと重なる演出は、もはや一つの作品だ。
最後のワイドスターマインになると、空も地面も一緒に鳴る。
庄内にいると、やっぱり特別な花火だと思う。
だからだろうか。
春のうちから妻が動き出した。
さて今年の花火は、何をやっているのだろう。
できれば今年は、
あの音の真下で観たいものだ。