新聞のコラムに「偶然の出会いは備えた者に訪れる」とあった。
いい言葉だと思いながら読んでいたのだけれど、読み終えてから少し考えてしまった。
備えた者とは、何を備えている人のことだろう。
知識だろうか。経験だろうか。努力だろうか。
けれど最近は、少し違う気がしている。
偶然というのは、突然起きる出来事ではなくて、むしろ「見えているかどうか」の問題なのではないかと思うのだ。
人は、自分が関心を持っているものしか見えない。
同じ場所にいても
同じ人に会っても
同じ話を聞いても
そこに意味を見つける人と、何も感じない人がいる。
違いは能力ではなく、ビジョンだと思う。
どこへ向かいたいのか。
何を大切にしたいのか。
どんな仕事をしたいのか。
その輪郭がぼんやりでもある人には、偶然がチャンスとして現れる。
逆に言えば、それ以外は静かに通り過ぎていく。
偶然というのは、出来事そのものではなくて、
自分の中にあるビジョンが働かせているノイズフィルターのようなものなのだと思う。
だからチャンスは、探すものではなくて、見えるようになるものなのかもしれない。