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660/1000 あっさりと差し出す親心 

660/1000 あっさりと差し出す親心 

末の娘がコロナになり、ここ数日は妻と高一の息子と私の3人だけの食卓だ。

いつものように息子は片耳にイヤホンをして、iPadでYouTubeを観ている。そんな時、私は決まってこう声をかける。

「それ観せて」

すると息子はイヤホンを外して、画面をこちらに向けてくれる。そこから会話が始まるのだ。

今夜の話題は藤井風の新曲「Prema」。インドの言葉で“無条件の愛”を意味するらしい。「やっぱり彼は天才だよな」という話で盛り上がり、一緒に音を確かめるように聴く。

そこから話題は、私がお土産に買ってきた本『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』(びーまん著)へと移る。息子がよく観ているYouTuberが書いたものらしく、「面白い」と言いながらページをめくっている。

さらに流れは学校の音楽の授業の話に。ギターで「大きなのっぽの古時計」を弾いているらしい。

「一番簡単で、しかもカッコいいやつを教えてやろうか?」と、私は軽く差し出すように話す。紹介したのはSmashing Pumpkinsの『Tonight, Tonight』。私が高校三年の時にヒットした曲だ。あの頃の自分に響いたように、今度は息子にもその音が届いた。やがて彼は、私のギターを持ってぎこちなく弾き始めた。世代を超えて音楽がつながる瞬間だった。

表向きはたわいない会話に見えるけれど、その裏には少しだけ親心がある。

本は、手に取ったら一緒に話せたらいいなくらいの気持ちで置いてある。

ギターも、弾きたいならいくらでも教えるけれど、無理に押しつけるつもりはない。

「こうなって欲しい」と形を決めてしまわないこと。

そのくらいの距離感が、今の自分にはちょうどいい。