二泊三日の大阪研修を終えて帰ってきた。
出発前はいつも「めんどくせ〜」と思うのに、不思議なことに数日で都会のリズムに体が馴染んでしまう。帰る頃には「帰りたくね〜」と感じるくらいに。
台風の予報に振り回され、飛行機は飛ぶのかとやきもきしたが、傘を広げることもなく帰路につけた。
そして、窓の外に広がったのは、黄金に染まりはじめた稲穂。湿り気を帯びた大阪の空気とはまるで違う、甘くて爽やかな香りが鼻をくすぐる。胸いっぱいに吸い込むと、身体の奥まで洗われるようだった。
高い空が、クラクラするほど広がっている。
その下で風に揺れる稲穂は、まるで波のようで、見慣れた景色なのにどこか異国の風にも見える。
「いい町だ」と思った。
旅を経て気づくのは、結局ここに帰ってきたいという気持ち。めんどくさいと出かけては、最後にこうして町を褒めている自分がいる。
おばあちゃんが旅行から帰るといつも言っていた言葉を思い出す。
──「やっぱり家が一番いい」。