昨日は不法投棄箇所の原状回復作業を実施しておりました。こちらの現場今年で3年目でございます。これまで5トン近く回収してきましたが未だ全量回収には至らないほどの数量が眠っております。この調子だとあと10年20年はかかるのでは〜と感じます。
こういった不法投棄というのは、私の考えるに昔のゴミ捨て場です。昔は(50年ほど前)ゴミを出す・処理するという感覚がとっても希薄でしたなぜなら、自然に返るモノばかりだったから。それが30年ほど前からゴミ処理についてはとても厳しい目が向けられるようになった(飲酒運転なんかもだいぶ価値観が変わりましたが、それと似ている気がします)。
おじいちゃん・おばあちゃん達に話を伺うと、ゴミを出したことがないって言うんですよね。それでみんな家で燃やしたり、川とか海に捨ててたって言うんです。それが当たり前だった。
しかし時代は変わりその瀬戸際1990年代、現在発見される不法投棄の多くはこの90年代に不特定多数の人が捨て場という認識でなんの気無しに、みんなやっているからという理由で捨てていたところが、道路工事などで発見されている、現代の貝塚のようなものです(私個人の解釈です)。
ただ貝塚と違って、自転車とか農機具・農業資材・ブラウン管テレビから冷蔵庫等、ちょっと目に余るゴミなんですよね。昨日もそんな90年代の負の遺産を掘り返す作業が続けられました。
それで泥の中から一台の冷蔵庫が出てきました。400Lぐらいでしょうかまだ3ドアで製氷機とかついていないタイプです。ドアを開けるとびっしりと泥が入ってまして、外観の金属はほとんど朽ちてプラスチックとスポンジの部分そしてコンプレッサーが残ってました。それでもこれ現代ではリサイクルできるんです。
山の中でひっそりと30年間眠っていた冷蔵庫、丘にあげられて、綺麗に水洗いされてリサイクル。冷蔵庫にちょっと声をかけてみました「諦めなくてよかったね」って。
僕らの発掘作業は尚も続きます。