手塚治虫の火の鳥未来編では、人工知能が神の様な存在として描かれ、そしてその指示によって戦争が引き起こされます。ターミネーターなどもA Iと人類との戦いですし、映画や漫画の世界では厄介者として描かれることがしばしばあります。
AIから仕事を取られるなどなんだかAIなんてなければいいのにみたいな感じがしますね。そろばんが電卓に変わったり、人力車が馬車になって自動車になって行ったり、進化・変化は止められないものですが、きっと世界は良い方向に向かうようになっているのだと私は信じています。
私の師匠、秋山鉄工三代目社長の故秋山周三氏が生前よく仰っていた言葉に、「電子化されたモノでは感動届かない」と言うものがあります。ハガキなどが良い例で、タイプした文字をプリントアウトして送ったとて、なんの感動も生まれない。そんなことを良く言っておりました。先日ラジオで音楽家の大貫妙子さんが「AIに人の心を動かす音楽は作れない」というニュアンスの事をおっしゃておりましたが、やはりコンピュータが描く美しい筆字になんの感動も覚えない様に、音楽にもそれは言えるのだと感じました。
やはりそこには個性やストーリーが無いからでは無いでしょうか。今話題のスーパーアクション映画、ミッション:インポッシブル デッドレコニングパート1ですが、主演のトムクルーズは自身でスタントをこなす事でも有名ですが、CGでもその絵は撮れるはずで、皆これはフィクションだと分かって観ている。しかしトムが命がけで2000mクラスの崖からアクションスタントを行う。その命がけのシーンは7回も撮っているそうですし、600回近くスカイダイビングのスタントをしています。60歳を超える人間の常識を遥かに超えています。この命がけの本気がスクリーンを通して感じられるだから感動が生まれる。よし頑張ろう!と背中を押される。皆が帰りにはイーサンハントになって帰ることができる。
やはり人間の命というのは、たった一つですし、そのたった一つの命をかけて伝えることというのは人の心を動かすのです。悩みに悩んで絞り出す人間の命の力、素晴らしいですね。