昨日の日曜日は文字通りの日曜大工をしていました。ノコギリで切ってカンナを掛け、組み立てて行きます。そんな作業を見ていた妻が「そんな工具持ってたんだ」と声をかけてきました。私には家用の工具箱があって、そこには大工道具セットが入っているのです。しかもその道具、私が中学校の技術家庭で親から揃えてもらったものをいまだに使っています。ですからもう30年使っていますね。
それらの工具には母親の字で、一つひとつ記名されています。私にはこれを揃えてもらった時の記憶があって、当時の学校では松竹梅と値段が3種類の道具が推薦されておりました、ほとんどの生徒が中ランクの竹を選択する中、私は一番高いフルセットの物を買ってもらったのです。その時両親から言われたのが、「一生物だぞ」という言葉でした。その言葉通り30年ずっと大切に使っています。
ごみ収集をしていると、この中学生が使う大工道具セットがゴミとして出されることがあります。そして両親が書いたであろう記名がしてあるんですね。そんな光景を目にするたびに、「一生物だぞ」の言葉が蘇ります。
現在では技術家庭という教科は無いのか、そんな道具は購入する必要が無いと妻は言っておりました。私は大工仕事は苦手ですが、学校でも触れないとこれからの子供達は大丈夫なのかな?何かモノを作るっていう事を経験するのかな?と不安にもなります。
自分が良いなと思った事は、子供達にも経験させたいなどとつい思ってしまうのですが、親のエゴなのかもしれませんね。とは言え、私の大工道具にまつわる記憶も一生物である事は確かです。