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  1. 毎日ブログ
 

毎日ブログ

2026/05/30
912/1000 記憶の1ページを投函する   

月末になると事務所は少し慌ただしくなる。

請求書の発送準備だ。

金額を確認し、封入し、宛名を確認する。一見すると地味な作業だが、会社にとってはとても大切な仕事である。

請求書は単なる紙切れではない。

そこには「確かに仕事をしました」「確かに受け取りました」という、お客様との信頼と信用の積み重ねが記されている。一枚一枚が信頼と信用の交換ツールなのだ。

月末の事務所では、プリンターが動き、封筒が積み上がり、スタッフが手分けして作業を進める。

当たり前の光景だが、よく考えてみると不思議なものだ。

電子帳簿や電子請求書が当たり前になりつつある今、この作業も10年後には無くなっているかもしれない。

紙に印字し、封筒に入れ、切手を貼り、ポストへ向かう。

長い間続いてきたこの仕事も、気がつけば時代の変化とともに姿を消していくのだろう。

夕方、発送を終えた請求書を抱えてポストへ向かった。

かつてあった作業という記憶の1ページに留めるように、そっと投函した。

2026/05/28
910/1000 島からのご褒美   

毎年この時期になると、飛島へビーチクリーンに出かけていた。

山形県唯一の離島、飛島。青すぎるほど青い海と、初夏にはオレンジ色のトビシマカンゾウが咲く美しい島だ。

その一方で、冬の日本海を渡ってきた海ごみが浜辺には打ち上げられている。私たちは2時間ほどかけて、そのごみを拾う。

汗をかくし、決して楽な作業ではない。

けれど、不思議と嫌な記憶として残っていない。

なぜだろうと考えてみると、私が好きだったのは作業の後の時間なのかもしれない。

港まで戻り、みんなで弁当を食べる。

そしてフェリーの時間まで芝生に寝転がる。

見上げれば、どこまでも高い空が広がっている。

カモメもずいぶん高いところを飛んでいる。

島を渡る風は心地よく、潮の匂いがゆっくり流れていく。

何かをしなければいけないわけでもなく、誰かに急かされるわけでもない。

ただ空を見ているだけなのに、妙に満たされた気持ちになる。

 

今年はフェリーの都合で中止になった。

島からのご褒美だったあの時間が今年は無いのが残念だ。


2026/05/26
908/1000 晴の日の株主総会   

今日は当社の株主総会だった。

昔からのジンクスというか、うちの株主総会は不思議と雨に当たったことがない。だから何だと言われればそれまでなのだけれど、毎年この日が近づくと空模様が少し気になる。

迎えた第49期の株主総会。

今年も見事な晴れだった。それも、こんなに天気が良い日はそうそうないと思えるほどの青空だった。

総会を終えて外に出ると、強い日差しと心地よい風。区切りの日としては申し分のない一日だった。

そんな中で、最近感じていることがある。

世の中の様子がまた少し変わってきている。

ニュースを見てそう思うこともあるが、私の場合はやはり現場の肌感覚だ。

お客様からの問い合わせの内容が変わる。仕入れや資材の話題が増える。これまで当たり前に手に入っていたものが入りづらくなる。業者同士で「そっちは大丈夫か」と情報交換が始まる。

数字になる前に、現場には小さな変化が現れる。

海の色が変わる前に潮の流れが変わるように、世の中もまず空気が変わる。

それが良い方向なのか悪い方向なのかはまだ分からない。ただ、何かが動き始めている感覚だけは確かにある。

だからこそ、こういう時代は足元が大切なのだと思う。

派手な予測よりも、目の前のお客様に向き合うこと。社員と話をすること。地域の声を聞くこと。

結局のところ、未来は現場の延長線上にしかない。


2026/05/24
906/1000 薬の代わりに   

最近ずっと不眠に悩まされていた。

医師から処方された薬を飲む日々が続き、どうしても薬が手放せなくなっていた。飲めば眠れる。けれど、次の日がきつい。頭がぼんやりして、体も重い。眠ったはずなのに、どこか自分ではないような感覚が残る。

 

そこで思い切って、薬を飲むのをやめてみた。

 

もちろん最初はかなりきつかった。夜が長い。時計を見るたびに焦る。「また眠れないのか」と考え始めると、余計に眠れない。

 

けれど数日経ち、体から薬が抜けていく頃から、少しずつ変化が出てきた。

 

自然に眠気が来るようになったのだ。

 

そんな中、妻が心配して、私の母に相談してくれていたらしい。すると母が、「抱き枕がいいんじゃないか」と言ったそうで、後日、母が私のために手作りの抱き枕を作ってくれた。

 

なんとも不思議な気持ちだった。

 

いい歳をした息子のために、母が抱き枕を縫っている姿を想像すると、少し可笑しくもあり、ありがたくもある。

 

抱いて眠ってみると、これが意外と悪くない。

 

人は眠れなくなると、頭だけでなく、心までどこか緊張しているのかもしれない。

 

薬ではなく、誰かの気遣いに包まれて眠る夜がある。

 

それだけで、人は少し救われるのだと思った。

2026/05/22
904/1000 ニセアカシアが香る頃   

帰宅して車を降りると、ふんわりとニセアカシアの香りがした。

甘くやわらかな、初夏の匂いだ。

この時期になると、至る所で見かける。

ちなみにニセアカシアは、名前に“ニセ”とついているが、実際には北米原産の外来樹で、正式には「ハリエンジュ」という木らしい。

日本に入ってきた当時、アカシアと勘違いされたことから「ニセアカシア」と呼ばれるようになったそうだ。

この香りは強く記憶に残っている。

小学生の頃の通学路。

あの頃の記憶の中には、ニセアカシアの香りと、草や土がムワッと立ち上がる青々しい匂いが混じっている。

雨上がりだったのか、朝露だったのか。

道端の草はいつも勢いがあって、子供だった自分は、その匂いの中を毎日歩いていた。

 

それにしても、“ニセ”という名前はやはり少し気の毒である。

外来種だからしょうがないのかもしれないが、私の記憶の中ではずっと忘れられない

懐かしい香り。この記憶は本物。
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