昨日は11月11日。ポッキーの日が有名ですが、実は「電池の日」でもあります。+と-の並びが電池の端子を連想させることから制定されたそうです。
廃棄物業界に身を置く私たちにとって、「電池」といえばやはりリチウムイオン電池の火災問題が頭に浮かびます。
全国的にも処理施設や収集車の火災が相次いでおり、その多くが“思いがけず混ざっていた電池”に起因しています。
リチウム電池は今や、掃除機や電動工具、電子タバコ、モバイルバッテリーなど、暮らしのあらゆる製品に使われています。
中でも厄介なのがワイヤレスイヤホン。小さくてプラごみに紛れやすい上、電池が内部に組み込まれていて取り外しができない。しかも左右のイヤホンとケース、それぞれに電池が入っている製品もあり、どこに潜んでいるのか分かりづらい。破砕機の中で圧力がかかれば、一瞬で火花が走ることもあります。まさに“見えない火種”です。
もちろん、全国的にはJBRC(一般社団法人 充電式電池リサイクル推進センター)などによる回収システムが整っています。家電量販店や自治体の回収BOXに「小型充電式電池」を入れれば、リサイクルルートに乗せることができます。
ただし、イヤホンのように電池が取り外せない構造のものは、現状その仕組みに乗せづらい。結局、排出する側の“正しい出し方”が鍵になります。
こうしてみると、モノを買うときに「使う」と「捨てる」の両方を想像しておくことが、いちばんスマートなのかもしれません。
便利さの裏には、見えないリスクと見えない努力がある。
小さな電池ひとつが、大きな火を生むこともある。
だからこそ、「混ぜればごみ、分ければ資源」。
11月11日、電池の日。今日もまた、そんな当たり前を思い出させてくれました。