今日、奥歯の銀歯がポロリと取れた。
「え、また?」と自分でも思うくらい、ちょいちょい外れる。もう何度目か分からないけれど、私にとってはこれ、ちょっとした吉兆だと思っている。
痛みはない。焦りもない。むしろ、「ああ、そろそろ何か動くな」という合図のように感じているのだ。いわば“付きものが取れた”感覚に近い。
銀歯というのは、見た目にも機能的にも、長く口の中に居座る「異物」だ。もちろん、お世話になった歯医者さんに失礼な言い方かもしれないけれど、身体が「もうこれ、いらないよ」と言っているような気がしてならない。
そういえば、これまで銀歯が取れたあとには、不思議と身の回りが軽くなる。人間関係がスッと整理されたり、考え込んでいたことが急にどうでもよくなったり、何かに執着していた自分がふっと緩んだり。
今回はどんな「何か」が取れたのだろう。
昔は、こういう出来事をただの「アクシデント」として扱っていた。でも最近は、ちょっと立ち止まって意味づけをしてみるのが楽しい。根拠はない。でも、根拠がないからこそ、自由だ。
とりあえず、銀歯はポーチに入れておいた。週末に歯医者さんに行くとして、それまでのあいだ、少し気をつけながら、でもちょっとワクワクしながら日々を過ごしてみようと思う。