信頼できる廃棄物処理許認可と実績
お片付け・ゴミ処理・買取 一括受付
鶴岡市・酒田市で家財整理・遺品整理・特殊清掃をお届けするお片付けのプロ集団 アンカーズ

電話受付:8:00〜17:00 定休日: 日・祝

  1. 毎日ブログ
  2. 583/1000 なんか違う、から始まる一着 
 

583/1000 なんか違う、から始まる一着 

583/1000 なんか違う、から始まる一着 

スーツを仕立てるというのは、実に難しい。


無限とも思えるパターン、ちっちゃな生地サンプル、

そして、鏡の前で「これ、似合うんだろうか?」と自問自答する日々。

正直、あのサンプル生地だけで全体像を想像するのは無理な話しだ。

ついWEBで誰かの着こなしを参考にしてみるものの、

その誰かは当然ながら自分と違う。

似合うかどうか? わからない。

そう、これはもう、経験と失敗が物を言う世界かもしれない。


そんなこんなで

やっと完成した今回の一着だったが、

やはり気になって、仕立て直しを決意する。

違和感はごまかせない。


訪れたのは近所の仕立て直し店。

店先には、80代?ぐらいに見える小柄な女性が座っていた。

一瞬、「大丈夫かな…」とよぎる不安。

だが、その方が放った第一声が、


「LINE登録で10%オフになりますよ〜」


この人、只者じゃない。

そう直感した。


そして意を決して私は告げた。

「裾を15ミリ詰めて、裾幅を20ミリ細く。膝上からテーパードでお願いします」


この繊細なオーダーが伝わるのか?

と思ったのも束の間、「ああ、それなら大丈夫ですね」と、

さらりと受け取る手つきに、職人としての風格がにじんでいた。


10日後、スーツは返ってきた。

パーフェクトだった。


「なんか違う」が、「これが良かったんだ」に変わる瞬間。

たった数ミリの調整が、着る者の気持ちまで整えてくれる。

スーツって、やっぱり不思議だ。


かの凄腕の女性に、心から感謝している。