外は30度を超える夏日。
蝉の声が響き始めたばかりの昼下がり、
アイスコーヒー片手にスマホをスクロールしている。
探しているのは、ウールのコートだ。
この時期に?と思われるかもしれないけれど、
実はこれ、僕にとっては毎年恒例の“夏の始まりの冬支度”。
ちょっと変わってるかもしれないけれど、理にかなっていると思っている。
まず、夏の立ち上がりって、まだ目立たないけれど、しれっとセール価格で、しれっと在庫も豊富。
しかも最近は、セール価格でも返品OKのショップが増えている。
気軽に取り寄せて、気に入らなければ戻せばいい。
そのくらいの気持ちで冬物に触れられるのは、今の買い物の面白さだ。
実際、昨年はこの方法でダウンジャケットをゲットしている。
10月を迎える頃にはすでにスタンバイ完了。
「あ、寒くなったな」と思った日には、もう着られる。
あの感覚は、けっこう気持ちいい。
今、気になっているのはオリーブカラーのウールコート。
カーキより落ち着いていて、土臭さのない、どこか品のある色。
着こなせたらかっこいいと思う。
だけど、妻からは無難なネイビーを勧められている。
「手持ちの服に合うし、長く着られるよ」
それはその通り。ネイビーには安心感がある。
だからまずは、オリーブを取り寄せてみることにした。
実際に袖を通してみて、「やっぱりこれはハードル高いな」と感じたら、
その時は素直にネイビーにしようと思っている。
好きなものを追いかけながら、現実との折り合いもつけていく。
服選びって、そういう小さな判断の連続なんだろうなと思う。
汗をかきながらスクロールしたこの一枚が、
秋の朝に袖を通したとき、
「この暑さも、悪くなかったな」と思わせてくれる
そんな買い物になるといい。