町家カフェ「古今coconn」への古道具搬入から、もうすぐ1ヶ月。
その間、たくさんの方に手に取っていただいた無塗装の無垢材でできた木箱。
多くの方が、このシンプルで温かみのある木箱を本棚として活用しているようです。
私たちが扱う古道具は、合板でもなく、最新の工場生産品でもない。
そして、匠の手による一品物の高級品とも違う。
それでも、等身大の暮らしにしっくりくる、そんなモノたちが揃っています。
例えば、木箱。
無塗装の木肌が手に触れたときに感じるあたたかさや、やわらかさ。
それは、どこか人の気配を感じさせるような、素朴で心地よい感触です。
こうした古道具には、完成されすぎていない“余白”があるからこそ、
使う人それぞれの暮らしに合わせて変化していく魅力があります。
完璧ではないけれど、だからこそ、毎日手を加えて育てていける。
その感じが、まさに「手ざわりのある暮らし」を感じさせてくれます。
古道具には、時を経て、誰かの手に渡り、少しずつ味わいが増していく力があります。
そんな道具たちが、町家の古い空間に息を吹き込み、
今という時代と古き良きものとのつながりを感じさせてくれるのです。
「古今coconn」での体験を通じて、
その温もりや暮らしに寄り添う手ざわりを感じていただきたいと思っています。
その場所で、過去と今が交差する瞬間を、ぜひ体感してみてください。
今、暮らしに必要なのは、完璧でないものかもしれません。
等身大のわたしにぴったりのもの、
無理なく、日々の中で馴染んでいくものが、古道具にはあります。