最後までやり切るというのは、簡単ではないなと私はよく感じます。最初は威勢よくても途中からなんか違うとか、環境が変わったとか条件が変わったとか、色々な感情が湧いてきて途中で投げたしてしまいたくなる時がある。それで「投げ出せたらどれほど楽か」と思うこともある。
けれど、最後まで一回転させることこれってとっても大事なんだと思うんです。これは5か月間続けてきた習字で学んだのですが、一枚の半紙に4文字書くとして最初の一字目でそれも一筆目で「失敗だ」っていう時がたくさんある。しかしそれで筆を辞めてはいけないって先生から教わったのです。明らかな失敗だと感じてもそこで紙を丸めて捨てたりしないで、最後まで4文字キッチリ書き切る。それでまた最初から書く。理屈なしに教わった通りそう続けていたのですが、このやり方は苦手なところを集中的に練習するというような方法よりも多分上達に導いてくれる。
どんな失敗でも、その失敗を受け入れて気持ちを切り替えて次の筆から一生懸命書く。これって人生の様々な場面でも同じことが言えるなと。だから一時的に辛くても最後まで一回転させる。それでまた始めてみる。そうしたら次の一回転はまた違ったものが生まれる。そうやっていくのがいい。習字を書くようになってそんな風に思っています。