これは、娘さんに遺したエンディングノートのメッセージが僅か4行という男性の遺品整理でのお話です。その男性のエンディングノートには、娘さんへの想いが当たり障りの無い内容で綴られていました。4行に纏められた文章を手にした娘さん、特別な感情は湧かなかったという事です。
しかし遺品整理中、多くの書類の中からエンディングノートの下書きが発見され、娘さんのお父さんに対する感情は一変しました。下書きには、小さな文字でびっしりと、娘に対する想いが愛情たっぷりにしたためられていたのです。
この男性の気持ち良く分かります。たくさんの想いはあるのだけど、いざ伝えようとすると、照れが出る、気恥ずかしい、こんな事書いたらどう思うだろう。そんな事を考えると、結局は当たり障りのない文章になってしまう。
普段から「気持ちを伝える」なんて事をして来なかったし、する必要すら考える事も無かった。だから、エンディングノートでも書くのが難しい。
今回のお話はたまたま業者が下書きを発見し、娘さんの手に渡ったレアケース。娘さんは宝物にするとおっしゃっていたそうです。
ここで思うのは、やっぱり普段の声掛け、感謝を伝える、これを毎日の生活でできる人になりたいなーという事でした。親子だから言わなくても本当は分かります。分かるからこそ、やっぱり言おう!そう感じる、俺の終活世代の父でした。