今日もなじみのお客様(80代女性おひとり様)よりお電話を頂きました。「また、お片付けして下さる?」。「はーい、先ずはお見積りですね〜」と私。伺うと、ご婦人達4人で井戸端会議の真っ最中。聞けばどなたも、80代おひとり様。毎日こちらのお宅に集合して、おしゃべりをしてらっしゃるとの事。「皆で助け合って、暮らしてるのよ〜」とお元気そのものです。
結果的には、いらしたすべての方のお家のお見積りをし、後日お片付けに伺うことになりました。皆さん口々に、私が死んだら云々とよく仰る。自身の体の衰え等をリアルに感じながら、生前整理を前向きに捉えておられるようです。
どのお家も清掃が行き届いており、頭脳明晰(大統領選についても言及)。嫁いできて六十年以上になるこの町のことや、昔話を伺っていたら2時間弱お邪魔しておりました。
不要物として処分したいモノは、写真のおかもちであったり、重箱やお膳や火鉢など。釘を使わない、職人が一つひとつ仕上げた逸品です。骨董品として価値があるのでは…と思われがちですが、残念ながら骨董と呼ぶにはまだ新しく、取引には至りません。
逸品もそうですが、この町や家の昔話を伺うに連れ、この方が生きた歴史や記憶が失われてしまうであろうことについての寂しさが募ります。
私たちは最終ランナー、アンカーズ。大げさな話ではなく、クライアントの人生も笑顔で受け止めつつ業務にあたる日々です。