昨シーズン、薪ストーブを新しくした。
燃費や暖房効率を考えて、ヨーロッパ製のものに入れ替えた。
最近のストーブは本当に優秀で、少ない薪でもしっかり部屋を暖めてくれる。
長年使ってきた旧ストーブは、アメリカ製の無骨だけど頼れる存在だった。
特に使い道も無く、放置されていてそろそろお役御免か…と思いながらも、すぐに処分する気にはなれなかった。
この夏、その旧ストーブはレコードプレーヤーとスピーカーの台として静かに活躍している。
どっしりと重く、安定感は抜群。
音響機器を置くにはちょうどいい高さと広さ。
何より、その存在感が音のある暮らしによく似合う。
火は入っていないけれど、音をのせ、灯りを添えると、不思議とあたたかみが戻ってくる。
レコードの針が落ちる瞬間、まるでまたストーブが呼吸をしているようにも見える。
いつかまた、あの中に薪をくべる日が来るかもしれない。
でもそれまでは、音とともにあるこの日々を、もう少しだけ楽しんでみようと思っている。