幽霊の怖さの正体とは何か。オドロオドロしい長い髪を後ろへ引いて、両手を前に出して、足がないのが日本のオバケすなわち幽霊。これは、済んでしまったことを引きずっている長い髪と、「ああなったらどうしよう」と未来を憂う前に出した両手と、心が過去や未来に囚われて「今・ここ」がない足という事で、幽霊の正体とは、今ここを取り逃している人の姿だとも言われます。
英語では「今」を「present」と言って神様からの贈り物だとしたり、日本の神道には「神代在今(かみよいまにあり)」と言って「今この瞬間こそが神代、理想の世界である」という意味の言葉があります。昔から、「今・ここ」っていうのは世界中で大切だとされてきたのでしょうし、そしてそれがまた難しいから戒めたのでしょう。
「今・ここ」を大切にするのはお片づけの世界でも言えて、整理する際の基準は「いつか・どこか」ではなく「今・ここ」なんです。このレンジに合わせて、自分のモノを整理してゆくと、等身大の自分っていうのがスコンと見えて来るんです。モノを通して自分が見える。これは面白い現象です。
整理をしまくってきた私ですが「あれ売らなきゃよかったな〜」とか「今だったらもっと有効に活用できたのではないか」とか「将来的に役立つのでは?」など日々思うことがあります。しかしそれはきっと今なくても大丈夫!なモノやコト。
さあ師走もあと20日、心の中の幽霊を追い出しながら今年の後始末やってみましょうか。